浮世絵の中に入りたければ井の頭自然文化園へ。
先月、井の頭自然文化園に行ってきました。
ぐるっとパスを使い、行ってきました。
この公園近くに住んでいる友人と、閉園1時間半前くらいに入りました。
晴れていたけど、寒かった。動物たちも端の方に丸まっていました。毛皮に覆われていても寒いものは寒いですよね。
以前、雪の降っている日に那須どうぶつ王国に行ったことがあったのですが、子犬たちが寒さのあまりストーブにくっついて、毛がチリチリになっていたり、アルパカが鼻水垂らしていた時のことを思い出しました。
思っていたより動物を間近で見れました。シカやカピバラやリスもいましたし、猿山はもしかしたら初めて見たかもしれません。象は去年亡くなっちゃったんですね。
表示板に「ヒト」と書かれており、檻の中に鏡がありました。説明文には「好奇心が強い」。面白いですね。
友人はずっとこの近くに住んでおり、中学生までは入場無料だったので足繁く通っていたそうです。
その友人曰く
「ここは、木が良い」
確かに、よく見て見ると、木が良い。
写真だと良さが伝わらないが、
グニャリと曲がっていて、カッコいい。ただグニャグニャしているのではなく、力強いのだ。グーっと真っ直ぐに伸びるところもあればあらぬ方向に首が曲がってしまったり、どれも見ていて楽しいのだ。しかも、こんな木はほとんど見たことがない。普段目にする木は、どれもまっすぐ上に伸びているのだ。
惚れ惚れと木を見ていたら、浮世絵に出てくる木に似ていることに気が付いた。そのことを伝えたら、
「ここの木は、江戸時代のものも残している。」
とのことだった。
つまり、浮世絵が流行った時代は、今目の前にあるこの木を描いていた。
ということになる。
私は、今まで浮世絵を見て、「昔の人はデフォルメが上手だなぁ。木がグニャっと曲がっててかっこいいな、木を絵の中で曲げたんだな。」
と思っていた。
しかし、目の前にある木は、浮世絵に出てくる木そのものだった。
つまり、
見たまま描いてただけかーい。
と、心の中で突っ込んだ。
しかしながら夢のある話だと思う。ある意味、ここに生えている木は、恐竜でいう骨のようなものだ。大切に保管されながら、昔の姿を保っているのだ。
その後、友人と動物をドローイングし、(楽しかった。人目があると気にしてできないんだろうと思ったので、ちょうどいい時間帯だった。)帰宅した。園外の水のコーナーには行けなかったので、またの機会に行きたい。
私は歌川広重の東海道五拾三次の「箱根湖水図」が一番好きだ。色が一番今風で、色が鮮やかで見やすい所が気に入っているし、そこが人気のポイントなのではないかと思う。(刷り方にもよると思う)
以前、原宿で見た浮世絵は、展示方法も状態も悪く、見た気がしなかったが、六本木のサントリー美術館で展示していた広重の作品は素晴らしかった。
やはり海外で所有している浮世絵の方が、いい状態で保存されていますね。展示方法も上から覗き込むような設置で、浮世絵本来の手に取って見る見方を、再現しているようでした。ライティングもバッチリで満足しました。
話は逸れましたが、井の頭自然文化園は、浮世絵の時代の景色を直接見ることができます。浮世絵の中に自分が入れると言っても過言ではないでしょう。
ちなみに井の頭自然文化園の彫刻館も面白いですよ。建物の1・2階の吹き抜けが巨大な彫刻で埋まっています。